今回、当法人が自ら運営者となって開設する新しい日本語教室のボランティア講師を育成する為、2025年2月23日(日)から全5回の日本語学習ボランティア養成講座を神奈川区多文化共生ラウンジで開催しました。
約30名の受講者に加え、運営事務局及びラウンジスタッフの聴講者を含め約40名が毎回、熱心に受講致しました。
2024年の9月ころから検討開始
働く外国人のための日本語教室を立上げるため2024年9月ころ運営メンバー9名が集まり、10月31日にキックオフ、14回の打合せ(毎週開催)を行い、2月23日からボランティア養成講座が開催されました。
ボランティア募集チラシ
養成講座の様子
ボランティア未経験者が多い養成講座の講師は、日本語教育学会会員の吉田聖子先生にお願いしました。約30名の受講生が5つのテーブルに分かれ、毎回同じグループメンバーで受講しました。
不安を取り除き、日本語の教え方を学び安心してボランティア活動を行ってもらうためにボランティア未経験者は養成講座受講を必須としました。
吉田先生の講座は、日本語の「教え方」を教えることではなく、『対話中心の活動』を身近な題材を使いながら、進めるためのヒントを下さいました。そして、受講者らに考えさせ、宿題が出され、次の回で発表し合うと言う、参加型の楽しい講座でした。
日本語教室「にほんごるーむ」の誕生
講座開催している間に学習者の募集を行い、ボランティア養成講座受講生は2025年4月4日(金)から開催された「にほんごるーむ」でマンツーマン形式の日本語ボランティア活動を行ってもらうことになりました。
日本語教室「にほんごるーむ」の活動日
■火曜夜間:18:30~20:00
■金曜夜間:18:30~20:00
■土曜日 :10:00~12:00
■日曜日 :13:00~17:30
学習者募集のチラシ
本教室設立の意義・目的等について
【本教室の設立を通じて解決したい課題】
今後の地域社会において、外国人の受入れは確実に増加すると見込まれ、在留外国人との多文化共生社会の健全な発展の為には、外国人への日本語教育の充実が最重要な課題であると認識する。
【その課題の解決がなぜ必要か】
●外国人に対する日本語教育は、単なる言語の習得にとどまらず、外国人の日本での生活の安定や日本社会参加および共生を促進するために重要な役割を果たす。外国人が日本語を習得することで、仕事や生活の質が向上し、日本社会の多文化共生が促進され、社会の安定につながると考えられる。
●大人だけでなく、子どもや若者にとって日本語の読み書きを含めた能力を総合的に向上させることにより、進路や就業の選択肢を増やし、やりたい仕事や、より賃金の高い仕事に就くことが出来る。
●言語能力が向上することで、外国人労働者は社会保障や医療サービス、教育など、日本の生活全般に必要な行政サービスを利用しやすくなる。
●職場や生活圏での意思疎通が円滑になり、社会的な統合が進むと考えられる為。
【その背景】
●日本は少子化や高齢化の影響を受け、労働力不足を補うために外国人労働者や移住者を受け入れてきた。
●2021年に実施された入管法改正は、日本への外国人労働者の受け入れ拡大を目的としたもので、特に「特定技能」制度を創設した。そのため、特定技能の資格を持つ外国人は、日本で働きながら一定の期間滞在することが可能になり、彼らの生活・社会的適応を支える日本語教育の仕組みが必要となっている。
●しかしながら、ニューカマーの外国人に対する日本語教育は、本来、国及び受入れ企業の責任として取り組む課題であると認識するが、未だ国は、正式な「移民」としての外国人受入れ方針を明確化していない。この様な状況下では、流入する外国人への日本語教育を国の責任で推進する体制は期待できない。一方で、民間の日本語学校は、年間70-80万円の授業料が必要であり、これを全てのニューカマー外国人が負担できるとは考えられないことは明白である。
【社会的意義】
●日本語教育を通じて、日本語を理解し、社会の中で自立的に活動できる能力を身につけることが、外国人の社会参加を促進し、多様な文化背景を持つ人々が共に暮らすことで、地域社会の豊かさが増し、国際的な交流が促進される。
●日本語能力が向上することで、外国人労働者は業務をより効果的にこなせるようになり、また、職場内での誤解やトラブルを減らすことができ、職場環境が改善される。
【日本語教育の実施と課題】
●日本政府や民間の教育機関は、特定技能制度の導入に伴い、日本語能力試験の実施や日本語学校の設立を推進しているが、地域によっては日本語教育の提供が十分でない場合があり、又、働きながら日本語を学ぶことが難しい外国人も多い。
●この為、私共の様な、民間の多文化共生ラウンジを拠点とする地域日本語教室を拡充し、効果的な日本語教育を進めることが重要であると考えるに至ったもの。
本教室の具体的内容
【対象者】
現役で働く外国人を主対象とするが、高校生以上で日本語を学びたい外国人まで対象に含む。
【実施場所】
●神奈川区多文化共生ラウンジを拠点とする。
【実施体制】
●開講日を毎週火・金の夜(18:30-20:00), 及び土・日の昼間とする。
●ボランティア講師希望者の内、未経験者に対しては、2月23日から全5回のボランティア養成講座を開講し、この履修完了後、日本語教室の現場に投入する方式とする。これにより、質の高い日本語教室の構築を目指す。(ボランティア未経験者の養成研修は、(公社)日本語教育学会会員の吉田聖子先生にお願いする。同先生は、当ラウンジの先輩格の港北区国際交流ラウンジで同様の研修の講師実績が長い)
●更に、学習希望者には事前アンケートと、日本語のレベル診断テストを実施し、それらの情報をもとに、本教室専任のコーディネーター2名がボランティア(講師)とのマッチングを行う。コーディネーターは個別の学習内容の進捗等も把握し、講座の質を高める体制とする。
●一方で、ボランティア講師の中に、行政書士複数名がおり、本教室の講義終了時に、在留資格についての無料相談を受け付ける仕組みとする。これにより、早い段階で、在留資格問題を抱える受講生に対してのFirst Aid 的対応が行える体制を構築する。
●本教室専任の事務局組織を教室開講と同時に組成し、受講者募集、ボランティア募集、教室毎の受講者・講師の管理、コーディネーター業務の補助、ラウンジ窓口との連絡調整、横浜市内の関係諸団体との連絡調整の業務を担当する。